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国名と国旗

 「ドゥク・ユル」というのが国名です。
「ブータン」という国名は、もとはインド人がチベットを指して呼んでいた言葉に由来します。
我々が日本のことをジャパンと呼ばないのと同じですね。ブータン人自身の言葉による国名はドゥク・ユル(雷龍の国の意)と呼びます。

国旗は二色に分かれていて、右側のオレンジっぽい色と左側の黄色っぽい色。
左側が精神世界、右側が物質世界を意味し、それらのバランスをとることが重要だということを
示しています。


そして中央には国名に由来して龍が描かれています。

さて、龍って何でしょう。



GNH

 国民総幸福Gross National Happiness
当時
21歳だった第4代国王ジクメ・センゲ・ワンチュクが、GDPをもじって作った造語。
1976年、王様がスリランカで開かれた第5回非同盟諸国首脳会議後の記者会見で、「GNHはGDPよりも大切だ」と語りました。

GNHという考え方は、近代化を是としてきた先進国にとってアンチテーゼとなっています。

①持続可能で公平な社会経済開発
②環境保護
③文化の推進
④よき統治

の4つの柱のもと、「家族は互いに助け合っているか」「睡眠時間」「植林したか」など
72の指標が策定されています。ブータンではGNHを基本方針とする政策をとっています。

たとえば、医療費と教育費は無料。また、伝統文化を重んじ、公的な場所では民族衣装の着用を義務づけています。
2005年の調査では、国民の97%が「幸せである」と答えており、2008年に施行された新憲法にも「国民総幸福に向け努力する」ことが明記されました。その背景には「足るを知る」というチベットから伝わった仏教の価値観があります。

 そんなブータンにも近代化の影響がみられます。1999年にインターネットとテレビが解禁になり、海外からの情報が大量に流れ込むようになったことで消費ブームが急速に広まり、身の丈を越えたローンを組む人が急増しました。都市への若者人口の流出、雇用不足の問題も起こっています。2010年の調査では、「幸せ」と答えた国民の比率は5割を下回りました。しかしGNHの推進は、今後も国づくりの根幹をなすことに変わりはなく、ブータン政府が「足るを知る」という伝統的な価値観を維持しつつ、いかに経済発展をも進めるかということが注目されています。

 資源には限りがあります。GDP、モノを作り、使い、壊しはいつかは終わりがきます。
物欲には終わりがないことは仏教が教えてくれています。


 ワンデュポダン・ゾンという歴史的建造物が2012年6月24日に火災の為に焼失してしまいました。私が驚いたのが25日を追悼の日として学校も企業もお休みにしたことでした。
日本のどの建築物が焼失しても、追悼としてお休みになるという想像すら私にはできません。



 さて龍ですが、
2011年秋に国王様が福島の学校でのスピーチの翻訳を載せさせていただきます。

「ブータンの国旗には、国の象徴である龍が描かれていますが、皆さんは龍を見たことがありますか?

わたしも王妃も、わたしたちは龍を実際に見たことがあります。

龍というのは、人格のことです。
ですから龍は、わたしたちの一人ひとり、誰の中にでも住んでいます。
龍は、わたしたちが歳を重ねるにつれて、わたしたち一人ひとりの経験を糧にして、大きく強くなります。
大切なことは、その龍をたえずコントロールすることです。
わたしは、ブータンの子どもたちに、自分の龍を養い育てなさい、と言っていますが、皆さんも自分の龍を養い育てて下さい。」